Farmer's Marketの1日、朝からの運営の流れを教えてください。

まず土日で違うのですが、土曜日は6時に集合して、
トラックが荷物を持ってきてくれるので、
それをおろしてテントを建てたり、テーブルを出したり、
会場のセッティングをします。
8時過ぎぐらいに農家さんたちが来るので、
それまでにセッティングは完了させて、
その後は演出や休憩用のテーブルを出したりします。
オープンは10時で、まだバタバタしていたりするけど、
だいたいいつも朝一番に来てくれる方とかと
挨拶したりお話したりして。
そうすると11時ぐらいになるから、ちょっと休憩して、
その後はその日によって違うなー。
日によって色んな課題が出てくるから、
それについて出店者さんと話したりとか、
事務局でお客さんの案内をしたりとか。
あとはたまに使ってもらっている木箱とかが壊れちゃうので
それを直したりもする。
会場をぐるぐる回りながら調整していますね。
終わりは一応16時までになっているけど、
16時半とか17時には閉めるようにしています。
そこから、片づけをして18時ぐらいに終わって、
その後ぼくらは終了のミーティングをやるんですよ。
今日の売り上げや問題点について共有して、
来週はこうしようっていうのを話す。
で、18時半ぐらいには終わる感じですかね。


スタッフは何人くらいいますか?

スタッフは現場で5人。
設置の時だけの人もいるからその時は6人とか7人とか。


スタッフが割と少ない印象を受けますが、
その分1人のやることが多くなったりしませんか?

みんな必死にそれぞれ忙しくしているけど、
忙しいことがいいわけじゃないから。
何でもそうだけど、目的があってやる場合は、
その目的を達成できるかどうかが大事。
でも忙しくなっちゃうと、目の前のことにどんどん追われて
本当は何のためにやっているのかってことが
わかんなくなっちゃうよね。
その時に、ふと「これ何のためにやるんだっけ?」って考えて、
あ、じゃあこれは必要ないなとか、これは誰かに頼もうとか、
こういう方法もあるなとか、そういうのが大事だと思う。

運営の組織形態はどのようになっていますか?

ある程度の役割とかはあるけど、がっちり固まってはいません。
結局は、正しい結果正しい判断をできるかが問題であって
誰が判断するかは大事じゃないと思う。
例えばね、会社で20年目のベテランもいれば
1年目の新人もいると。
でも1年目の人の言っていることが正しければ、
それでいいじゃないですか。
別に経験がある人が必ずしも正しいわけじゃないし、
誰が正しいかじゃなくて何が正しいかを考える
っていうのは常に大事だと思う。

Farmer's Marketを運営する上で一番大変だと思うことは何ですか?

コミュニケーションというか、人との関係ですかね。
体力的にもすごく大変なんですけど。
でも今、毎回60店舗くらい出てくれているんですけど、
そうすると出店者が100人くらいはいるわけで、
僕ら5人で100人をまとめなきゃいけないんです。
で、お客さんの数はもっともっと多い。
本当に、一大組織というか、コミュニティなんですよね。

その一大組織の中で田中さん含めスタッフの方々は
どうやってFarmer's Marketをプロデュースしているのですか?

どういうコンセプトでやってくか、
これからどういう風にしていくのかとかを
ちゃんと共有できてないと、どんどんばらばらになって、
結局何のためにやるのか分からなくなったり、
全体にとってマイナスなことが起きてしまったりする。
逆にそれだけ人がいれば、皆で1つのことを考えて
アイデアを出したとしたら、ものすごい力になるじゃない。
そのあたりの、マネジメントというか、
プロデュースが根底かなと思うんですよね。
うちの代表は「状況をデザインする」って言っているのだけど、
例えば映像的に見て、
人が何をしているんだろうとか、何があるのかとか、
こういうテントでこういう風にものが並んでいて、
人はこういう風に流れて、その時に野菜だけじゃなくて
果物もあった方がいいなとか、コーヒーがあればいいなとか、
ちょっと休めるスペースがあったり、
食べ物以外の要素もあって、それが混ざり合って、
状況ができていくみたいな、そういうことを考えろ
と常々言われています。確かにそれが一番大事だと思う。

やりがいがあるなと思うことは何ですか?

お客さんや出店者の方がここに来るのが楽しみだとか、
僕らに出会えてよかったとか、この場があってよかったとか、
そういう風に言ってくれるのがすごく嬉しいですね。
あと、大変な時にやさしい声をかけてくれる出店者の方とか、
お客さんがいるんですよ。
そういう言葉が嬉しいなーって思います。

Farmer's Marketの将来の展望はありますか?

3つのキーワードがあります。
オーガニックであること、
ダイレクト・フロム・ファームっていう
余計な中間がなく直接農場から来ること、
あとはバイオダイバーシティ、生物多様性を
大事にしていこうということ。
まあオーガニックっていうのはね、
なかなか言葉としても難しくて。
すべての人が農薬を使ってないわけじゃなくて、
使っている人もいるけど、
使うにしてもなんで使うのかってある。
まともな農家さんだったら、人に毒を食わしたいと思う人は
いないわけで、じゃあなんで使うのか、使わざるをえないのか
っていうこともちゃんと学ばなきゃいけないし。
ただ農薬を使わないで作ってくれって一方的に言っても、
それがどんなことなのかとか、農薬って何なのかって、
実はみんな知らないじゃないですか。
それを学んでいって、そういう対話の場所が必要だし、
僕はFarmer's Marketを
そういう場にしていきたいなって思っています。

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