ライブで流す映像を作成するときは、
実際に流したときのライブ会場がどういう雰囲気になるのか
という空間のイメージを持って制作していますか?

作る際に流したときのイメージはします。
「この映像が流れたときはこのような反応をしてほしい。」、
ということを考えて作ります。
それで実際にライブを見たときに反応の有無を観て修正していきます。
ライブ会場全体の空間を考える上で一番大切なことは、
常にお客さん目線・フラットな目線で考えること
だと僕は思っています。
だから空間の演出と言うのは予想が付かないからすごく難しい。
「お客さんがどう思うか」という感覚をひたすら重ねていくしかないんです。


ミュージックビデオやライブで流す映像は
担当するアーティストや曲について理解した上で制作するのですか?

もちろんアーティストのことは理解してから作ります。
この人たちはお客さんやファンから見てこういったイメージでいてほしい
ということを考えて、そこからずれないようにします。
曲も誰よりも聴きますよ。
アーティストのカラーを理解するのにも必要だし、
その曲の世界観を感じるために大切だと思っています。
特にライブの曲の前に流す映像は、その曲が終わるまでの
雰囲気を考えて作るので、
曲の歌詞やメロディーから構想を練ります。
曲をたくさん聴くことはとても重要ですね。


いままでで思い出に残っているライブはありますか?

SEAMOのライブですね。
ここ5年間、映像、内容、演出まで全部僕が考えています。
そのなかで、このような作業だけでなく、
スタッフ全員のやる気をだすことが大切ですね。
全員のやる気がないといいものは絶対にできあがりませんから!
僕の専門は映像なので大変でしたが、とてもいい経験になりました。
映像がほとんどないイベントの構成をしたこともあります。
何人かのアーティストの合同ライブだったんですが、
知らないアーティストもいるライブで
どうやって最後まで全ての観客を楽しませるか
ということを考えて、大ビンゴ大会をしました。(笑)
 これは面白かったですね。お客さんも喜んでくれました!


福さんはプロデューサーとディレクターの
どちらもやっていらっしゃいますが、
プロデューサーとディレクターの違いはありますか?

僕はプロデューサーもディレクターもそんなに変わらないと思っています。
いいものを作ろう!という意識は一緒だから。
でもプロデューサーは企画、キャスティング、予算の交渉などを
しなきゃいけない。
ディレクターはそれを受けた上でみんなを引っぱっていく。
そう考えると本当に作品を作っているのは
やっぱりプロデューサーなのかな、と僕は思います。
あと、僕は何をするにも一人ではなく、
いろいろな制作の人に頼むことが多いのですが、
プロデューサーは最初にびしっと決めた方向性から
彼らがずれていかないよう
頻繁にチェックをすることもとても大切ですね。
プロデューサーもディレクターも、やることを選んで限ってしまうのは
もったいないと僕は思います。
自分のやると決めたことは何事にも自信を持って
「いい物を作りたい」
と思い続けることが大切です。


最後に、福さんが大切にしていることを教えてください!

作品を作る上で大切にしているのは「コンセプト」です。
この中心軸がブレていると まとまりのない作品になってしまいます。
だからこのコンセプトはプロデューサーである僕が決めて、守っていく。
本当のプロデューサー業というのは こういう事だと思ってます。

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