音楽にまつわる活動って、ほんとうにいろいろある。
CD・コンサート・路上ライブ…
だがしかし、音楽を通して、広がる世界ってもっとたくさんあるはずだ。

東京に古くからある街、荻窪。
近くには高円寺、阿佐ヶ谷をはじめ、有名なサブカルチャータウンが
待機している街だけにその存在は影を潜めている。
しかし、最近音楽を通して、荻窪を盛り上げようと
尽力している人々がいる。
今回は、その中心、2000年から10年近く続いている「荻窪音楽祭」の
プロデューサー、西江行雄さんに、荻窪音楽祭について、
そしてプロデュースについてを中心に、様々なお話を伺ってきた。

荻窪音楽祭とは

荻窪音楽祭とは、2000年から年に2回、
春と秋に行われている音楽祭です。
荻窪の街おこしのために、
荻窪にずっと住んでいる人たちが集まってできた
『21世紀の荻窪を考える会』が中心となって、
クラシック音楽等ツールで荻窪を盛り上げようと活動しています。
出演者も、スタッフも、
そのほとんどが地元民によって構成されているんです。
とにかく荻窪という街を愛している人が集まっているイベントです。
「街の活性化・文化が集まる街・人が集まる街」
を目標にやっています。

出演者のほとんどが地元民

出演者に関しては、オーディションはしていません。
僕はやりたい人は全部出してあげたい、って思っているんです。
音楽をやりたい!ということに関して、
うまい・へたなんて関係ないでしょう?
プロの方で出演者もいるのですが、
ほとんどが地元民のボランティア演奏家なんです。
もちろん、演奏料もいただいていません。
演奏をしてもらうことがサポーターみたいなものだから。

資金源も地元民が主

資金はサポーター、つまり企業や個人の方からいただいています。
サポーターになっていただくために広告宣伝もやっていて、
コンサートガイドというのを2万部配っています。
あとはチケットの売り上げなどで運営をしています。
会場は27カ所あってすべてが荻窪駅周辺にあり、
ほとんどはお店のご好意で貸していただいています。

荻窪音楽祭を通して荻窪の人々の交流を活発にしたい

荻窪の一番の特色が来たと南に分断されていることなんです。
その垣根をなくす、一つの役割を
音楽祭が果たしたいという側面もあるんです。
そのために北も南も、両方を会場にしています。
そうすることで北と南の文化・商店街・人が交流できればいいな、
と思っています。

好きなことは音楽イベントのプロデュース

荻窪音楽祭以外にも様々な活動をしてきました。
平安遷都1300年記念の音楽イベントとか。
阿波踊りと和太鼓のイベントで、
アフガンに学校を建てるというチャリティーもやりました。
僕は夢を楽しんでもらうのが好き。
そのためにお金を集めて、
行動するのがおもしろい、って思うんですよ。
人が喜ぶことをするのがプロデュースの面白さかもしれないですね。
人間って、経済で富を築く人もいるし、
夢が叶ってああおもしろかったな、と言う人もいると思うんですけど、
僕は後者で、それが楽しいと思います。

プロデューサーとして、イベントを成功させるために

つながりがあにとイベントはできない、と思います。
ひとりで作るのではなく、みんなと一緒に作る。
それがとても大切です。
自分の思い通りにはならないんですよ。
でも、それを勘違いして、
自分の想いだけで一本の狭い道を選んでしまうと、
失敗したら自分ひとりだけで
抱え込まなきゃいけなくなっちゃうでしょ。
けれど、みんなの知識を集めたら、おのずと広角的にいくわけです。
そうすると幅広い視野で考えられるんですよね。
だから、自分がこうやりたい!って突っ走るよりも、
色んな人の意見を取り入れながらやっています。
でも、反省する部分はたくさんあって。
スポンサーがいるからやっぱり収支はきちんとしなければいけない。
そのためには、支えてくれている人たちがいる、
というのが根底にないと駄目ですね。

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