Only Free Paperは2010年12月10日に立ち上がった
フリーペーパーの専門店です。
フリーペーパーだけを扱うという不思議なお店は始まって以来
絶大な注目を集め、今回テーマが「出版」としたとき、
すぐにわたしの頭の中に浮かんだのがこのお店です。
どういう風にお話を聞けるだろうと思ったところ、
目に飛び込んできたのはホームページ上にあった
「PRODUCE」の文字。(2011年11月1日現在ホームページ改装中)
なんとフリーペーパーのプロデュースをしているではないですか!
これはもう聞くしかないと思いお願いしたところ、
嬉しいことにお話を伺わせていただくことができました。

お店の立ち上げからフリーペーパーのプロデュースまで。
どうぞご覧ください。


【石崎孝多さんプロフィール】
1983年7月7日生まれ。
2010年12月10日、渋谷キャットストリートに
フリーペーパー専門店「Only Free Paper」をオープンさせる
(現在は渋谷PARCO PART1 6Fに移転)。
現在までの取り組みとして、
密買東京、軍艦クロッシングに参加、 リヤカーブックスとコラボ、
マイクロ・パトロン・プラットフォーム
「CAMPFIRE」プロジェクト参加、
「TOKYO DESIGNERS PARTY #1」で
リメイクブック・プロデュースなど様々な活動を行っている。



まず最初に、
なぜOnly Free Paperをつくろうと思ったのかを教えてください。

僕は元々ファッションやアートや音楽とかが好きなんですね。
昔から本屋さんに行ったり、ギャラリーに行ったり、
何か面白いスポットとか、
そういう場所に週に20軒も30軒も回っていました。
そういう場所にはよくフリーペーパーが置いてあるので、
もともと本や雑誌が好きなものだから、
ついでにもらっていってたんです。
だから僕はフリーペーパーが好きというよりも
カルチャー全般が好きで、そういう場所に行くのが目的であって、
そこに置いてあるフリーペーパーをもらうのはサブ的要素でした。
でもそういうところでもらうフリーペーパーはすごく面白くて、
これが本屋みたいに一カ所に集まって読めたらいいな
と思っていたんですね。
あと、最近僕が好きな雑誌がもうほとんどなくなっていて、
例えば『STUDIO VOICE』とか『流行通信』
『high fashion』『広告批評』、
最近だと『snoozer』も廃刊になりましたし、
カルチャー系の雑誌がどんどんなくなってしまっていて。
そういった、自分が好きな本や雑誌が元気ないので、
面白い紙媒体を紹介みたいなものもできたらいいな、
というのもありました。
紙媒体の中でもフリーペーパーには
有料誌とは違った面白さがありますから。


その有料誌とは違う、
フリーペーパーならではの面白さとは何でしょうか?

面白いフリーペーパーは少数発行が多くて、
地方のものだと本当にその地域の情報しか載ってないんですよ。
かなりニッチというか、ピンポイントの情報で。
有料誌だと、だいたいが東京で作られているので
そういう情報は拾いきれなくて、
WEBだと情報がまたちょっと違うんですよね。
フリーペーパーはかなり独特で、ニッチな情報を格好良かったり、
おしゃれだったりして紙で表現している、それが面白いです。

Only Free Paperという空間を作るにあたって、
どのような空間にしようと思いましたか?

本屋さんにしたかったんですね。
お店やる前はアートブック屋さんとかも
やりたいなと思っていたんですけど、そういうお店はすでにあるし、
同じものを作ってもしょうがないと思ったので、
フリーペーパーだけのお店ってことになりました。



フリーペーパーだけを扱うということで、金銭の発生はありませんよね。
経営はどうなさっているのですか?

それはもうめちゃくちゃむずかしくて、
前はギャラリースペースを貸したり、
イベントがあったりしていたのですが、
全然だめで。めちゃくちゃきついですね…。お金、ないですね…。
でもこっちに移ってきて(2011年9月15日に
渋谷キャットストリート店舗から渋谷PARCO part1 6Fに移転)
からは支援金をいただいています。

ここに置いてあるフリーペーパーは
制作されている方々からの持ち寄りですか?

最初はこちらから声をかけたりもしていましたが、
初めてすぐ取材を各所でしていただいたので、
すぐに向こうからきてくれるようになりました。
でも違うなと思うものもあるので、そこはこっちで判断しています。
お店に置くフリーペーパーは求人誌や通販のカタログとかではなく、
ちゃんと読み物として成り立っているもの。
本屋の感覚でやろうとしているというのを理解してもらえれば、
そのボリュームやページ数は問題じゃないんです。
手書きでも読めるものであれば面白いですしね。

それでは、フリーペーパーのプロデュースの話に移ろうと思います。
そもそも何故プロデュースもやろうと思ったのですか?

多くのフリーペーパーを見た知識で、
いろんな方の役に立てればと思って。
それにフリーペーパーは印刷するじゃないですか。
そうすると印刷代がかかってしまう。
それでつまらないものを作るのであれば、
せっかくだったら表紙をちょっとおしゃれにするとかだけで
変わってくるので、もったいないですからね。


プロデュースができるのは、
石崎さんの中に「こういうフリーペーパーになったらいいな」っていう
何かしらのビジョンがあるからではないかと思ったのですが、
どうですか?

ああ、そうですね。
お店でも特殊なものがたくさんあって、
テーマが囲碁とか林業とか、
お坊さんが作っているものとかもあるんですけど、
そういうものは普通に作ると地味に終わってしまうんですよ。
でも今言った囲碁や林業のフリーペーパーたちは
全部面白い作りをしています。
みんな地味なテーマを地味に出してしまいがちですけど、
ちゃんと編集してつくっていけば面白いものができるんです。
フリーペーパーは有料誌と比べてそういうことがしやすくて、
地味なテーマをポップだったり、
おしゃれだったり、かわいくしやすい。
そういうことが僕は言えるんだと思います。

では石崎さんがなさるプロデュースは、内容に対して、
といった感じなんですね。

そうですね。
広告の取り方とかも聞かれますけど、
基本的にはどういったものをつくりたいのかを聞いて、
こういう風にすれば良いんじゃないですか
って提案させてもらったり、
こういうフリーペーパーがあってこの中ではこういう感じでって、
紹介もできたりって感じですね。

ありがとうございます。
フリーペーパーで何かを表現したい人、
情報を発信したい人はたくさんいても、
方法がわからないや、
どうすれば見てもらえるかわからないなどの理由で、
作るまでに至らない人もいますし、
行き詰まってやめてしまう人もいると思います。
石崎さんは店頭で気軽に話を聞いてくださるそうですから、
そこで立ち止まってしまう前にぜひ話しにいってみてほしいです。

 

 

Only Free Paper
〒150-8377
東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO PART1・6F
TEL:03-6416-4422
OPEN:10:00-21:00
http://onlyfreepaper.com/


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